検査路を作る仕事

検査路とは

令和の現在も、多くの橋、特に第2東名、圏央道、名神高速、名古屋高速などの道路橋が作られています。
これらの高速道路の多くは現在、高架橋になっています。
橋は5年に一度の近接点検が義務化されています。
渥美工業所が製作している検査路とは、橋を点検するために、橋についている通路です。

部署紹介

01CADオペレーター

CADオペレーター

CADオペレーターとは?

お客様から来た図面を見て、部品図を作成し工場に製作資料として渡します。設計はしません。 部品図からExcelで材料のリストを作成し、仕入に発注します。 当社のCADオペレータ―は、 2021年4月現在、男性6人女性5人。ほぼ同数です。CADの経験者は3人だけ。他の人はCAD未経験者です。 特にここ数年、CAD未経験の新卒者ばかりが入社しています。誰もがCADを使って仕事ができています。 営業はしない、来客もほぼない、仕入が納品に来る程度です。社外に出ることは稀です。 工場の人に作った資料を渡すことはあります。乗用車やワゴン車で宅急便などの運送会社に小物を運ぶことはあります。 しかし、ほとんどの時間、事務所に居て、座っていることになります。渥美工業所の事務所のほとんどの人がこのCADオペレータ―です。

年々増える経験値

ピーターの法則、というものがあります。

1.能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。
したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。

2.時が経つにつれて、人間はみな出世していく。
無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。
有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。
その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。

3.その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。
多くの会社でピーターの法則が発揮され、多くの人が自分の無能に悩むことになります。

イラスト

アメリカの職場を見たことがあります。マネージャーは若くてもマネージャーで、マネージャー教育を受けています。ブルーカラーは年寄りでもブルーカラーで、同じ仕事を何十年も続けていました。とても良いシステムだと思いました。渥美工業所には中間管理職が居ません。ITを使ってコミュニケーションすれば不要です。従って社員が中間管理職になることはありません。先輩と後輩が居るだけです。同じ仕事を続けるので、年々経験値が上がり、年々慣れて行きます。長く居る人は、仕事が早くなっていきます。

02溶接

溶接作業員

溶接は、素人が見ても良い悪いが分かります。

綺麗な溶接は凸凹がなく、機械で溶接したように綺麗です。
検査路は亜鉛メッキしますが少しでも凸凹があると、メッキ前の酸洗い液が品物に貼り付き、
不メッキ部が出来て黒ずんでしまいます。
普通の建設や車両の溶接は塗装が多いためメッキをしません。
当社ほど溶接の凸凹を気にしません。
だから、溶接経験者というだけでは、かえって手にくせがついているため、
なかなか当社並みの品質に向上しません。
現在、当社では溶接経験者は採用しておらず、若い未経験者だけを採用しています。
最初から高品質の溶接だけを見せ、ひたすら溶接して練習すると、
だれもが高品質の溶接ができるようになります。
その方式をもう十数年続けています。すでに未経験者を先輩が教育するシステムができています。

検査路ができるまで

STEP 01切断
長い鉄の材料を、バンドソーで希望の長さに切断します。バンドソーは、バンドのようにぐるっと1周回った刃を、高速回転させて鉄を切断します。常に切削油を流して切るため、高温にならず、連続切断が可能です。自動バンドソーならば、パネルで長さを入力すると自動で切断します。
STEP 02レーザー
鉄の材料の内、板状のものは、レーザー切断機などで切断します。高速かつ高精度で板を切断し、同時に穴も明ける優れものです。レーザー切断を鋼材屋さんに依頼すると、10日~2週間も掛かってしまいます。レーザー切断機は高性能であるため、順番待ちが長いのです。渥美工業所では2017年に最新のファイバーレーザー切断機を導入しました。おかげで鉄の板を、高速高精度ですぐに切断できます。
STEP 03孔明
長い鉄の材料などは、切断後に穴を明けます。昔はボール盤で穴を明けていましたが、今は違います。プレス、パンチャー、電動磁気ボール盤など、用途に合う道具を使い穴を明けます。
STEP 04仮組立
レーザー、バンドソー、孔明などで部品が揃いました。それらの部品を組み合わせて、検査路などを組み立てます。形や長さや位置は、事務所の人がCADで組み立て図を作ります。その組立図を見て、検査路などを組み上げて行きます。
STEP 05溶接
組み立てたものは、まだ仮り付け溶接のままです。ここから本溶接をし、一体物にします。当社の溶接は、見に来たお客さんが綺麗だと褒めて戴けるほど高品質です。渥美工業所は、溶接の品質には自信を持っています。
STEP 06組付
溶接した製品は、錆びないように亜鉛メッキします。ガードレールなどと同様に、錆びないように銀色のメッキがしてあります。メッキ後に更に部品を組み付け、ボルト締めしていき完成です。